new.com.com によるとどうやら Oracle が以前の提案より少し高い額で BEA の買収を行いそうだ。
無念。以前から定評のあった WebLogic サーバーの市場での奮闘ぶりや、様々な機能には関心させられて
いたし、VMWare ESX / Xen のようなハイパーバイザ上でゲストとして JVM を OS のオーバーヘッド
なしに高速動作させるしくみは目から鱗だったし、Business Integration の分野ではとるべきもの(BPEL など)
はとり、JBI には仕様が不十分と強く意思表示したりと技術的に骨のある会社なので、ずっと独自性を
持ち続けられる体制を続けてほしかったのだが...
Oracle は実は web application server の分野では苦戦していて、現在の OC4J も大きな声では言えない
問題を抱えている。金は余っている訳だから、市場で既に十分検証された実績のあるソフトウェアが
ちょっとした出費で手に入るならということで、こんなことになったのだろう。とうの昔に枯れてしまった
古い DB ソフトウェアで膨大なライセンス料を濡れ手に粟で手に入れているが、ある時期以降は
買収で体制を維持しているように見えなくもない。「何かおこったらどうしよう、でも有名大手にまかせて
おけば大丈夫、少なくとも自分は」という日本の無責任 IT マネージャは格好のカモで、口では立派な
ことを言うが、裏では責任のなすり付け合いとその手はずに大半の時間を使っている日本企業の IT
部門が Oracle の様な会社を増長させ、結果的にこのような残念な結果を招いているのかもしれない。
また、ニュースにも書かれているが本当の仕掛人は乗っ取り屋アクティビスト投資家 Carl Icahn
(カール・アイカーン)だ。経済の世界からみると結果的に金になれば成功と見なされるので、
氏のようなやりかたもありなのだろうが、振り回される方はたまったものではないだろう。
金にものを言わせて攻撃的な、横暴ともとれる要求をターゲットにされてしまった企業に
迫ってくるやり方には嫌悪感を覚えずにはいられない。最も、一般人がこんなことを述べても
「だからどうした貧乏人?」とあしらわれるだけだろうが... 世の中、結局金ですか???
コンピュータ関連企業の中で比較的方向性の近い企業との協業、あるいは合併といった平和的な
解決ができなかったのが残念である。まぁ、Oracle もうまく BEA の技術をのばしていって
くれるのかも知れないが... ただ、Carl Icahn がかんでいる時点で、BEA が M&A による
金儲けのカモにされた感は拭えない。
Sun, Apple, Azul といったポリシーをもった技術先行の(イメージがある)会社には
末永くがんばってほしいし、同じようなことは勘弁してほしい。でもアメリカ式経済では
いつこれらの会社が消えても不思議ではない(とくに Azul)訳で、それを防ぐには
それなりの防衛手段が必要にもなる。ただ、それが金儲け第一主義にいつの間にか化けて
しまうととたんにつまらなくなってしまうので難しいところだ。理念と、製品、成果物に
高い価値を認められる企業はもう少し、乗っ取り屋におびえる事なく本業に専念できる
ような法整備はできないものだろうか?
BEA が名実共に SOA, web から退場となるかどうかはわからないが、乗っ取り屋の気まぐれで、
業界から活気が失われるような事にだけはならないことを祈りたい。
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